第299回久居地区医師会住民健康講座における講演このページを印刷する - 第299回久居地区医師会住民健康講座における講演

講演要旨について

第299回久居地区医師会住民健康講座
「こころの病気とともに生きる ―当事者・家族・地域をつなぐ理解の輪―」

於)津市久居アルスプラザ



 精神疾患は決して特別な人だけがかかる病気ではなく、誰にとっても身近な健康問題です。
 しかし、身体の病気と異なり、症状や困難さが周囲から見えにくく、誤解や偏見によって適切な治療や支援につながりにくいという課題があります。

 今回の講演では、精神疾患の特徴や早期発見・早期治療の重要性について解説するとともに、精神疾患に対する偏見や差別を意味する「スティグマ」について取り上げました。
 周囲の偏見は、当事者自身が病気を否定的に捉える「自己スティグマ」にもつながり、相談や受診をためらう原因となることがあります。
 また、統合失調症やうつ病、てんかんなどを例に、病気への正しい理解と、家族や周囲の人々による適切な関わり方について説明しました。特に、当事者の体験を伝える映像を通して、病気を抱えながら生活する方々の思いや困難を理解することの大切さを紹介しました。
 
 精神疾患への偏見を減らすためには、医学的な知識を得るだけでなく、当事者の声に耳を傾け、その人自身を理解しようとする姿勢が重要です。学校や職場、地域社会において、こころの不調に早く気づき、安心して相談できる環境を整えることが求められます。精神疾患のある人もない人も、互いを理解し、支え合いながら自分らしく暮らせる地域社会をつくることが、今回の講演を通じてお伝えしたいメッセージです。
 
2026年10月8日
榊原病院 院長 鬼塚 俊明