「EGUIDEプロジェクト」(統合失調症治療評価)における表彰についてこのページを印刷する - 「EGUIDEプロジェクト」(統合失調症治療評価)における表彰について

先般、「EGUIDEプロジェクト」において、当院の2020年度の統合失調症治療が
Jump up2位(前年度からの改善幅の評価)、Good practice5位(総合評価)
を受賞しました。

 EGUIDE」とは、全国の210以上の精神科医療施設が参加する「精神科医療の
普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究:Effectiveness of GUIdeline
for Dissemination and Education in psychiatric treatment」の略称であり、精神科
医に対してガイドラインの教育講習を行い、ガイドラインの効果を検証するものです。
 EGUIDEプロジェクト事務局は、「国立精神・神経医療研究センター」に設置されて
おり、当院では毎年、当プロジェクトに係る処方調査に協力しています。各施設の
匿名化された処方を集計して、診療の質(QI,Quality Indicator)が測定され、
処方行動がガイドラインに沿っているか、客観的に評価されます。

 
 今回の受賞における主な要因として、当院の「治療抵抗性統合失調症治療における
クロザピン治療率の高さ」が挙げられます。
 クロザピン(商品名クロザリル®)は、他の複数の抗精神病薬を使用しても効果が
ない難治性の統合失調症(=治療抵抗性統合失調症)に適応を持つ唯一の薬ですが、
無顆粒球症・好中球減少症という注意すべき副作用があるために、定期的な血液検査
を行う必要があり、諸外国と比較して我が国のクロザピン使用率は低くなっています。
統合失調症患者のうち2割から3割が治療抵抗性といわれていますが、我が国の
治療抵抗性患者のうちクロザピンが使用されているのは、わずか5%程度にすぎません。

  
 統合失調症薬物治療ガイドラインでは、治療抵抗性統合失調症患者に対して、クロザ
ピンを使用することを強く推奨しています。当院はクロザピン治療専門病棟を有し、
安全かつ効率的にクロザピンを使用できる環境を整えており、地域におけるクロザピン
導入目的の紹介も受け付けています。
 また、各病棟で、医師・薬剤師・看護師・作業療法士・心理療法士・栄養士・ソーシ
ャルワーカー等を含む多職種でのカンファレンスを定期的に開催して治療の見直しを図
っており、カンファレンスでの情報共有・意見交換が処方の適正化に寄与しているもの
と考えています。
 今後とも、より適切な治療を行えるようにスタッフ一同取り組んでまいりますので、
何卒よろしくお願い申し上げます。


                 国立病院病院機構 榊原病院
                             薬剤師 稲垣 雄一